点数のつけられない日々~はじめていくばしょ

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以前から「図書館」という場所には不定期に通ってはいたものの、不定期とも言い難いような年に数回あるかないか程度でしか通っていない。

それが、今年に入ってからというものの、やたら図書館に通うようになっていた。
買うまでもないが、とりあえず目を通しておきたい。そういう本を中心に借り、「手元に置いておきたい」と思える本に出会えたら、新品や中古であたって購入するという流れが日常茶飯事となった。

 

そんな図書館ライフを送っている今日この頃。
てっきり図書館についてつらつら書き綴るとお思いだろうが、そうではない。
とりあえず読み進めて頂きたい。


ついに近場の図書館で満足できず、先日、住む地域最大の蔵書を誇る大きな図書館の利用者証を作ることを決心した。
近場の図書館では蔵書がなく、購入するにしてもその前にどうしても中身を確認したい。そんな本が出てきてしまったからである。

 

その最大図書館は、過去に2度程しか訪れたことない場所。
いつもの買い出しのついでに寄ろうと車を走らせた。

 

実は自分の運転でこの図書館に来たことがない。自分の運転で乗りつけるのは初めてなのだ。
とかく私は「初めての場所」というのに弱い。無駄に焦り冷汗だらだらになってしまうのだ。

「いつもの買い出しのついで」というポップな暗示をかけているにも拘らず、である。

 

因みに蔵書最大図書館の駐車場は地下と地上の2つある。
この暑い最中、地上駐車場に停めるということは考えなかった。当然のように、地下駐車場に車を進めていく。

いつも行き慣れた近場の図書館の駐車場は明るく、見通しがよい。
そのため、「似たような感じだろう」という感覚で車を進めていってしまったのだ。

 

ところがである。
蔵書最大図書館の地下駐車場はびっくりする位真っ暗だったのだ。
子供の頃慣れない父方の実家に泊まりに行った時、豆球なしの真っ暗中寝なければならなかった時の暗さと不安感によく似ている。
これなら、暑さを引き換えにしてでも地上駐車場にすればよかったと思う程だ。

 

後悔を抱え、冷汗はかきまくりのまま、暗い中を進んでいく。
そうすると遠くにうす明りが見えてくる。図書館の入口である。
明かりがこんなにありがたく感じるのはどれ位ぶりだろうか。

 

明かりがある付近は停めてある車が多かったので、入口から少し離れた車の少ない駐車箇所に停めることにした。
初めての場所、自分の車も人様の車を傷つけたくはない。余裕をもって車をとめる。
ゆっくり、白線内に停めるようバックで入れていく。

 

グギ ガリリッ

 

嫌な音である。
初めての場所で冷汗をかいているところに、頭の毛穴全開とばかりに冷汗が溢れる。
余りに暗すぎて、柱の存在が見えていなかったのである。

 

「マジか……やってもうた」
ただ車はまだ停車箇所の半分しか入っていないが、とりあえず所定の位置に車を収めないといけない。
冷汗による手汗でハンドルがすべりそうになりながら、何とか停める。

 

傷ついたのは左のミラーだった。
車を停めて、あわてて傷を確認する。しかし、暗すぎてわからないのである。

 

ショックを受けつつ、図書館内へと向かう。来慣れなれていないこととついさっき起こった出来事のせいで、無駄に迷う。
借りる本のことや、利用者証の作成のことを考えたいところだが、どの程度かきちんと確認できていない車の傷の方が気になって本来の目的を忘れそうになる。
そんな思いを振り切りながら、しどろもどろで利用者証を作成の手続きをする。

 

広い図書館内の為、案内図を見ながら目的の本を探し当て、いざ貸出。
いつも行っている図書館の自動貸出機と勝手がまるで違う機械に戸惑いながら、エラー音が止まらない。

たった2冊しか借りないのに、私を横目に隣の貸出機で小学生が慣れた様子で4、5冊借りていってしまった。

全ては、あの暗い地下駐車場とミラーについた傷のせいである。

 

無事貸し出しに成功し、逃げるように図書館を後にした。
買い出し先の、差すような日差しの中で確認したミラーの傷は思った以上に深く、存在感を示していた。
こんな傷を作るのは運転し始めた頃以来ではないか。
暑くてかく汗なのか、冷汗なのか、わからないような汗が背中を流れていく。
とりあえず、買い出しを手早くすませ、家路を急ぐ。

 

そして帰宅後、旦那さんに派手にやらかしてしまった旨を伝える。
「形あるもの傷つくものだから」と許してくれた。

こんな時でも咎めることをしない旦那さんで有難さの極みである。

 

とりあえず、旦那さんの優しさに甘えることなくセルフリペアをやった方がいいかもなと思っている。(やるとは限らないし、まだやってない。)

 

そして、「初めて行く場所、油断禁物」である。