ある日。
もやもやが止まらない。
自宅でストレッチを念入りにしても
軽く掃除をしてみても
ちょっと昼寝してみても
近所の神社を参拝してみても
もやっとしたものが取れない。
こういう「もや感」は神社参拝をすれば大体どうにかなるものなのだが、この日はだめだった。
これは私にとっての最終手段なのだが、この奥の手が効かないとなると余計にもやもやする。
もやっとして一日を過ごして、全てを済ませた夜、読めていなかった本を読む。
辛く、悲しく、強さを感じ、情景が絵になり浮かぶ、そんな本だった。
2時間程度だろうか。読み終わると、日中いつまでも離れなかったもやっとした何かはどこかに消えてしまっていた。
このところ、久しく遠ざかっていた「物語」の本を手にとるようになった。
特に今年に入ってからは、足繫く図書館に通っては数冊借りて帰り、返してはまた借りることを繰り返している。
「本の楽しさは物語(小説)にある」みたいな、そのような言葉を何らかで見かけた覚えがある。
その言葉を実感しつつ、ある時から実用書やビジネス本ばかりに手を伸ばすようになってしまっていた自分自身を恥じる。
物語によって英気を養う。
私は本が、物語が好きだ。