結局は基本に戻っちゃう、音楽。 - はぱささ～今、ここ～

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ここのところ、ふと思い立って昔集めていたCDを引っ張り出して、作業用BGMとして流すことが多くなった。

今ならYouTubeで検索すると無限に専用チャンネルはあるし、音楽の定額聞き放題ができるサービスもあるし、わざわざプレイヤーとCDを引っ張すことなく、音楽を楽しめるような時代だ。
そんなわけでYouTubeで作業用BGMのチャンネルを流していたが、何となくピンとこない。
数チャンネルザッピングしてみるも何だか納得できなかった。
過去の自分が選んだCDの方がよっぽどいいような気がしたからだ。

なぜそう思ってしまうのか、少し考えてみた。

かつて、私は「アホ」がつくほど音楽にハマっていた。

とはいえ、何か楽器演奏をしていたわけでもなく、（学生時代は吹奏楽部ではあったが）ただひたすら自分の良いと思える音楽を求めてひたすら聴きまくっていた。今思えば、「現実逃避」に近かったかもしれない。サウンドに包まれていれば、ほんの一瞬でも「実家家族」から離れることができる。

とはいえ、辺境の田舎では高々知れているので、街中に所用で出たついでにタワーレコードの試聴コーナーで徹底的に聞き込み、納得できるものがあれば購入するというスタイルを取っていた。
それまでも小規模なレンタルショップは存在していたが、メジャーどころのCDばかりの取り扱いしかしていない。ちょっと趣向の違う音楽を好んでいた私には物足りなく感じていたのだ。

そんな辺境の田舎にもイッチョ前にそこそこの規模の中古CDショップができ、程なくして青と黄色のロゴでおなじみの大手レンタルショップが出店してからは、私の音楽環境が激変した。

とりわけ「イージーリスニング系」や派生ジャズのような、言うほど歌詞のない曲を好んで聞いていた。
特に青と黄色のレンタルショップについては棚にある商品は一通り試聴できるコーナーが設けられていた。
それに加え、ジャズとイージーリスニングのコーナーが卒倒しそうになるほど充実していて、その棚を前に武者震いがする程だったことを今でも鮮明に思い出す。
それからというもの、仕事帰りの度に立ち寄っては聞き込んで借り、休みの日にもわざわざ出かけて聞き込んでは借り……と借りてはPCに取り込んでCD-Rに焼き直して車内のプレイヤーで楽しむということを本当によくやっていた。

それなのに、辺境の田舎から今住まう土地に出てきてからはすっかり縁遠くなってしまっていた。結婚してからは尚更遠のいてしまっていた。
現実が多忙だったからなのか、年齢を重ねたせいなのか、まあ、両方なのだろうが、ラジオでさらっと聞く程度か結婚してからは専らテレビが「音」を独占していたように思う。

それが、テレビも（特に昼間）そんなにいいとは思わなくなった。多分同じことばかりで煽ることしか聞けないからだろう。
特にオリンピックに興味がないので尚更拍車がかかる。
そして、なぜか人の話す声を聞くのが疲れる感じがして、さらっとしか聞いていなかったラジオですら最近は聞かなくなっていた。

とにかく今月に入ってから、何となく私の周りの潮目が変わったような感じがしている。原点回帰なのだろうか。だから再びCDとプレイヤーを引っ張り出して聞きたくなった。

使っていたはずのプレイヤーは埃をかぶっていて、きれいに拭き上げるところから始める。CDプレイヤーとしては結婚してから殆ど使っていなかったので、作動状況が怪しい。
とっかえひっかえCDを入れなおしては再生とスキップサーチを繰り返し、何とか音飛びせず、スムーズな再生ができるようになった。
レンタルで焼き直したCDの一部はデータ破損してしまっていたが。

10年、20年前にバカ丁寧に選んでいたCDはこの年齢になっても、胸を躍らせるのだから、当時の自分のセンスを今になって自画自賛してしまう。

そんなことを思いながら過去のCDを聞いていたら、こんなツイートを見かけた。